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誰かとどこかでつながるまちに
地域の福祉を担っている19の団体が、互いの活動の強みやネットワークを生かし合いながら、地域の誰もが安心して生活できる東中田を目指して活動しています。「いつまでも安心して住み続けられるまちにしたい」という思いのもとに、協働のまちづくりを実践しています。
※この記事は「協働まちづくりの実践(平成30年3月発行)」と同じ内容を掲載しています。
特定非営利活動法人FOR YOU にこにこの家
小岩 孝子さん
東中田町内会連合会、東中田地区社会福祉協議会
大野 眞知子さん
四郎丸地域包括支援センター
三上 圭子さん
ほっとネットin東中田の「ほっと」は、「ホットな・ほっとする・ほっとけない」を表し、ほっとなつながりで地域課題の解決を目指したいという思いがネーミングの由来です。東中田地区は太白区の南東部に位置し、田園風景が残る地域に戸建て住宅や市営住宅・マンションなどの住宅地が広がるまちです。子どもも大人もお年寄りも、病気や障がいを持っていても、地域のすべての人が安心して生活できるまちを目指して活動を展開しています。
「太白区が主催した会議で浮き彫りになった地域の課題をどうにかしたい」。その解決に向けて地域の団体が集まり、2002年に結成しました。2カ月に1回、19の構成団体が出席して開催する会議は、お互いの活動や地域の情報を共有できる貴重な場となっています。これだけ多くの地域団体が定期的に集まりを続けているのは、全国的にも珍しく、密接なネットワークづくりが地域の結束を強める一つの原動力になっています。
隔月で開催される定例会議には19団体が集まり、それぞれの活動や地域の話題を共有。
最初に取り組んだのが、地域団体の情報を載せた『助っ人マップ』の作成です。住民だけでなく福祉や地域に関わる人たちでさえ、地域の施設や社会資源について曖昧な情報しか持っていないことに気付いたのがきっかけでした。自分たちの活動についての情報に加え、いざという時に役立つようにコンビニやガソリンスタンドの場所も掲載。地元の新聞店の協力を得て3950戸に配布しました。また、地域の施設情報やイベント・行事などを知らせる『ほっとネットin東中田情報カレンダー』を年3回発行しています。FOR YOUにこにこの家理事長の小岩さんは「地域の一人一人がどこかにつながることで、孤独がなくなれば」と情報発信の意味を話します。
地道な活動が実を結んだと感じたのが、東日本大震災の時でした。支援物資の配布先を検討していると、各団体から一人暮らしの高齢者や要介護者などに関する情報共有がなされました。これにより、避難所に来ることのできない方へのお弁当・支援物資の配達を、小中高生に手伝ってもらい迅速に実施することができました。四郎丸地域包括支援センター所長の三上さんは「培ってきたネットワークを活用して、支援の輪を広げることができました」と振り返ります。避難してきた方々が情報を持ち寄って助け合う姿を見て、「つながり」の大切さにあらためて気付かされたことも、その後の活動の大きな経験となりました。
活動を継続する上で活動場所の確保などさまざまな困難もありましたが、小岩さんは「そのたびに地域の人々に支えられ、多くの方々が背中を押してくれました」と振り返ります。また、東中田地区社会福祉協議会会長の大野さんは「ほっとネットは、結成当初から各福祉施設団体が東中田を住み良いまちにしたいと、積極的な広報活動を続けてきました。おかげで、自然と協力し支え合う形ができています」と胸を張ります。
これから取り組もうと考えているのが「シニアがシニアを支える仕組み作り」。小岩さんは「支えられる側はもちろん、支えるシニアの方が生きがいを感じる機会にもなれば」と意気込みます。より良い「福祉のまち」を目指して、「ほっと」な活動がこれからも続きます。
(取材・文:市職員ライター 近藤 尚寛)
特定非営利活動法人FOR YOU にこにこの家
〒981-1101 仙台市太白区四郎丸字神明16-2
Mail: nikoniko@w2.dion.ne.jp
Tel: 022-241-0858
東中田地区社会福祉協議会
Tel: 022-241-5998
四郎丸地域包括支援センター
〒981-1101 仙台市太白区四郎丸字大宮46
Tel: 022-242-6351