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仙台で初めてアディクション・フォーラムが開催されたのは2001年。それまで依存症グループの団体は個々に活動しており、他の団体との連携はありませんでした。ところが、フォーラムには300人以上もの人が集まり、「同じ問題を抱えるグループの連携」をどれだけの人が待ち望んでいたかが明らかになりました。その後も仙台ダルクが中心となり、継続して開催。2017年で17年目を迎えました。「問題だらけで弱いままつながるお祭り」をうたい文句に、「誰かとつながることで楽に生きる知恵」を発信し続けています。
フォーラムは、当事者の体験談などのスピーチ、有識者による公開市民講座の2部構成で行われます。宮城県断酒会理事長の大平さんは「定期的に自助グループから実行委員が集まり、1年がかりで準備しているんですよ」と話します。フォーラムに参加すれば、自分には「生きづらさ」という別の問題があることに気付いてもらえます。仙台ダルク代表の飯室さんも「心の中にあるつらい気持ちを誰かに吐き出せたら、もう回復に一歩踏み出している。一人で頑張らず、自分から主体的に支えを求めていくことが必要なんです」と話します。

宮城県断酒会の松井さんは「アディクションに対して日本はまだまだ偏見が多いですが、アメリカではカウンセリングに行くこと、自助グループに参加することが日常的に、気軽に行われています」と話します。偏見のなかでは、本人も家族も本当に苦しくなってからようやく治療に踏み切るケースがほとんどです。松井さんは「手遅れになる前に、少しでも多くの人にこの病気を理解してもらい、危ないと気付いたらすぐに助けを求められる社会になってほしい」と望みます。
2017年のフォーラムは、日本嗜癖行動学会との共催という初の試みとなりました。大平さんは実行委員会代表として、「自助グループができることを積極的に行い、毎年新しい仲間とのつながりを深めながらフォーラムを開催しています。全国に向けて情報発信できることを誇りに思います」とあいさつしました。依存の多様化が問題となっている現在、フォーラムを通じて関係団体が互いに手を取り、支援の輪を広げていくことは、苦しみのなかにいる当事者たち、その家族にとって大きな一歩となり、力となっていくでしょう。

（取材・文：市民ライター 大林 紅子）