当サイトでは協働によるまちづくりのための支援制度・相談窓口や、活動事例をご紹介します。

震災で甚大な被害を受けた新浜町内会では、定住人口の増加を図るきっかけとして、「新浜ならではの地域資源」を活用しながら地域外からの交流人口を創出し、にぎわいを生み出そうと「ニュービーチ〈新浜〉プラン」を掲げ、さまざまな主体との協働を進めています。
2015年には貞山運河研究所との共催によるミニフォーラム「新浜の海岸公園と貞山運河の利活用」、2016年には東北学院大学の菊池教授（日本近世史・女性史）と平吹教授（景観生態学）の協力のもと学習会を開催。地元住民と大学の連携によるフィールドワークでの発見を生かし、『ふるさと新浜マップ』を制作しました。

新浜町内会ではさらなる新しい取り組みとして、流出した橋の再生に向けて、現代美術家の川俣正氏による「みんなの橋プロジェクト」をせんだいメディアテークとの協働で進めています。また、2017年4月に開所した、地域の新たな拠点である「新浜みんなの家」の活用を図るべく、せんだい3・11メモリアル交流館と月1回の懇談会「新浜お茶っこ」も始め、住民が再び寄り合える場を創出するとともに、今まで掘り起こされてこなかった新浜の生活史の記録にもつなげています。
多様な団体との協働について、新浜町内会の平山新悦さんたちは「専門性を持った団体と、目の前の課題をこなすだけの関係ではなく、ちゃんと『人と人との関係』を築いて付き合っているのがポイント。最初は考え方が違っても、とことん話をすれば、お互いのことがだんだん分かってきます。みんなが良い関係のなかで活動できるからこそ、成果も生まれているのでは」と語ります。
活動を通して新しいアイデアを生み出し、新たな協働相手を見つけていく新浜町内会。震災後に生まれた「交流人口の創出」という大きな目標に向かって進んでいます。

（取材・文：せんだい3・11メモリアル交流館 田澤 紘子）