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ほしい暮らしを自分たちの手で実現していく
公園や歩道などの公共空間を利活用した魅力あるまちづくりを目指し、民間主導で始まった「GREEN LOOP SENDAI」。新たな価値や人材の創出につながる場として、キャストと呼ばれる学生や市民のボランティア、行政も巻き込みながら、ワクワクするまちづくりを進めています。
※この記事は「協働まちづくりの実践(平成30年3月発行)」と同じ内容を掲載しています。
せんだいディベロップメントコミッション株式会社
本郷 紘一さん
仙台市都心まちづくり課
毎週、同じ場所でマルシェが開かれ、コーヒーやパン、ジャム、花などが売られる。自然な形で、それぞれが望むライフスタイルが手に入る。そんな「理想のまち」を実現するために、仙台市と協働で事業を進めている人たちがいます。その中心の一人が、本郷紘一さんです。仙台を拠点に、美容室やコーヒー店を経営する傍ら、自らが理想とする「まち」の実現に向け幅広く活動しています。
GREEN LOOP SENDAIは、定禅寺通をはじめとする通りや公園など、仙台の都市資源である緑豊かな公共空間を使い、複数のイベントを同時に開催するプロジェクトです。市内に点在するテーマの異なった会場を回ることで、緑の回廊(=GREEN LOOP)を体感しながら楽しめる仕掛けになっています。コーヒーや雑貨、パン、ワインなどさまざまなものを扱うお店が、そろいの木組みの屋台で並ぶ風景が印象的です。
「公園でコーヒーが飲めたら素敵だな」という思いから、カーゴバイクを使って公園で仲間とコーヒーを売り始めた本郷さんは、仙台市が取り組んでいる「リノベーションまちづくり」と出会いました。仙台市では、来るべき人口減少社会における都市の再生や若年層の流出を食い止めようと、遊休不動産のリノベーションや、公共空間の利活用を柱としたまちづくりを公民連携で進めています。本郷さんは「事業を進める過程で、さまざまな立場の人がまちづくりに関わるようになります。この連鎖がいろいろなところで起これば、若者の流出を食い止めることができるだけではなく、誰もが住んでみたい都市・仙台へと変わることができるかもしれない」と話します。仲間とともに、公共空間の利活用を目的とした公民連携による新しい取り組みを学びながら、さっそく活動を始めました。
2016 年には肴町公園でDayout!!(デイアウト)、続いて定禅寺通でTOHOKUCOFFEE STAND FES(東北コーヒースタンドフェス)を開催。これらの実践の積み重ねがGREEN LOOP SENDAIにつながっていきます。事業実施にあたっては、本郷さんたち民間側には、公共性の高い事業を行うとともに、公共空間を活用してきちんと収益を上げること、行政側には、弾力的な制度運用や関連部署への橋渡し役などの環境整備が求められました。
互いの持ち味を生かしながら、公民連携のまちづくりの先例として持続的な事業になるよう、イベントで生み出された利益は次の事業に回す仕組みにするなど、かかる費用を行政に一切頼らず自分たちで賄えるように、計画をしっかり立てることに重点を置きました。そしてこのプロジェクトは、これからの仙台のまちづくりのビジョンを共有するプレーヤーの芽を育む機会も提供しています。
本郷さん(帽子の男性)を中心に定禅寺通で作戦会議。
自分たちの理想の暮らしをどこで、どうやって実現するか。日常生活を送る上で、また子育てをしているなかで、誰もが一度は考えることです。本郷さんたちが自分たちの手でつくるGREENLOOP SENDAIの取り組みは、そうした理想の暮らしへの第一歩です。本郷さんたちのもとには一緒にまちづくりに参加したいという若者が集まってきています。少しずつ、仙台というまちが変化する兆しが見えています。
(取材・文:学生ライター 松川 真子)
西公園に木組みの屋台が並ぶ、GREEN LOOP SENDAIの一場面。
せんだいディベロップメントコミッション株式会社
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〒980-8671 仙台市青葉区国分町3-7-1
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