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市民でスポーツを支えてまちを笑顔に
仙台を日本一スポーツボランティアの活動が盛んな都市にするため、「仙台スポーツボランティア」プロジェクトが始動しました。NPOと大学が協働して、スポーツボランティアを志す市民のきっかけづくりに挑戦しています。
※この記事は「協働まちづくりの実践(平成30年3月発行)」と同じ内容を掲載しています。
特定非営利活動法人ボランティアインフォ
北村 孝之さん
市民スポーツボランティア SV2004
村松 淳司さん
仙台大学
仲野 隆士さん
仙台市は「スポーツシティ仙台」を掲げ、スポーツイベントの誘致と開催支援、さらには、交流人口の拡大と地域経済の活性化を図っています。その中では観客誘導・エコステーション運営など、大会や試合会場を裏方として支えるスポーツボランティアの存在が欠かせません。
しかし、ボランティアの高齢化により、新たな担い手の不足に加え、募集の告知が各試合の運営者ごとに出されることから、情報の入手方法が分かりにくいという課題がありました。そこで、ボランティア活動に参加する若手を増やし「スポーツを支える楽しさを伝えたい」とプロジェクトを企画したのがボランティアインフォです。ボランティア向け情報発信が得意分野で、年間約2000人のボランティアをコーディネートしています。呼び掛けに応じたのは、仙台におけるスポーツボランティア団体の草分けとして実績がある市民スポーツボランティアSV2004と、「健康づくり運動サポーター」という養成講座を設計した経験を生かし、スキル向上を担当する仙台大学です。
このプロジェクトは二つの柱から成り立っています。一つは、新たなボランティア育成のための「仙台スポーツボランティア研修会」を開催すること。この研修会でスポーツボランティアに必要な知識を体系化して学んだボランティアは、業務を依頼する主催者側にとっても、安心して仕事を任せることができる存在になります。
もう一つは、各種スポーツボランティアの募集情報を一元化することです。Webサイトから申し込める仕組み作りとその運営も目指しています。
会場に設けられたエコステーションで、ごみの分別を呼び掛けるボランティア。
仙台でスポーツボランティアが芽生えたのは、2002年のFIFAワールドカップ。多くの市民がボランティアとして活躍し、その後それに関わった市民が中心となり「スポーツボランティアを仙台に根付かせたい」と2004年にSV2004を設立。以来、さまざまなスポーツ会場で活動してきました。
SV2004副代表理事の村松さんは「異種スポーツ間でボランティアが協力するのが仙台の特長」と話します。仙台は「楽天イーグルス」「ベガルタ仙台」「仙台89ERS」など、プロスポーツ団体が数多くあり、スポーツに触れる機会に恵まれていることも、スポーツボランティアが活発に活動できる下地になっています。現在、楽天イーグルスには200人以上のボランティアが登録し、活躍しています。
ボランティア同士で多世代間の交流ができるのも、スポーツボランティアの醍醐味です。仙台大学副学長の仲野さんは「スポーツボランティアは敷居が低いので、スポーツが苦手でも応援したい気持ちがあれば大丈夫」と話します。村松さんは「ボランティアは報酬を得ていないので、観客や選手と対等な立場であり、試合の一体感を高めることができます」とやりがいを話し、さらに「多様なスポーツのボランティアが連携するのが仙台の特徴。それを仙台モデルとして全国に広げたい」と意気込みます。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。(※取材時点での開催予定)ボランティアインフォ代表理事の北村さんは「このプロジェクトを通じて、仙台からスポーツボランティアの輪を広げ、ボランティアを文化として根付かせたい」と夢を膨らませます。
(取材・文:市民ライター 溝井 貴久)
スポーツ会場には欠かせない存在のボランティアは、年代も性別もさまざま。
特定非営利活動法人ボランティアインフォ
〒980-0014 仙台市青葉区本町1-12-12GMビル2F
Mail: info@volunteerinfo.jp
市民スポーツボランティアSV2004
〒980-0811 仙台市青葉区一番町4-1-3 レターケースNo.50
Mail: izumita@dm.mbn.or.jp
Tel/Fax: 022-274-1469
仙台大学
〒989-1693 宮城県柴田郡柴田町船岡南2-2-18
Mail: tk-nakano@sendai-u.ac.jp